レイブル

 働く意思を持って行動しているにもかかわらず、仕事に就けていないニートの若者を、「レイブル」と呼んで応援しようという呼びかけを大阪府がはじめたそうです。ニート(Not in Education, Employment or Training, NEET)とは、教育、労働、職業訓練のいずれにも参加していない状態を指した造語ですが、「ニート」ではマイナスの印象が強く働くので、就職活動をしてもなかなか雇ってもらえない。そこで新たな呼称で、まずはマイナスイメージを払拭していこうということのようです。
 「レイブル」とは、「レイトブルーマー」の略で「遅咲き」「大器晩成」を意味し、大阪府が取り組んでいる「若者の雇用機会創出を目指す事業」に協力し、人材育成・自立支援を行うNPO法人「トイボックス」や社会的課題の解決に取り組むNPO法人「スマイルスタイル」が、「欧米で頑張っている若者を応援する言葉として使われていて、大器晩成に近い言葉」(トイボックスの栗田拓事務局長)として考え、採用したそうです。大阪府はすでに、「レイブル」を広く知ってもらおうとポスターを作成。梅田駅などに貼り出していて、本格的なPR活動に乗り出しています。
 ニートの若者(若年無業者)は全国で約63万3000人。そのうち大阪府は東京都に次いで多い、約5万5000人。しかし、この中にも「働こう」と行動する、前向きな若者もいて、大阪府は「職がなく働いていないことでニートとひと括りにされて、怠け者のイメージをつけられてしまっている若者の就労を支援するのが狙いです。ニートのうち、働く意思のある人、行動を起こしている人たちをレイブルに位置付けています」と説明しています。

 現在のニートには、就職氷河期のために、意図せずそうなってしまった人が大勢います。根本的な原因としては、成長戦略で国内の労働求人数を増やすことしかないのでしょうが、こうした試みで少しでも、働きたくても働けない若い人の再出発ができれば素晴らしいことだと思います。