移動可能な放射性セシウム除去装置「サリー・ソイル」、東芝が開発

 東芝が、福島原発事故現場で活躍した汚染水のセシウム除去システム「サリー」の小型移動版、「サリー・ソイル」を開発したそうです。今後、福島県を中心に放射能除染作業が本格化します。その際、「サリー・ソイル」をトレーラーに積んで除染が必要な学校や公園などに運び込んで、除染を行う予定。「サリー・ソイル」は、10トン積みトレーラー2台に積載して放射線量の高い場所に運び、汚染土の処理を行います。汚染土壌にシュウ酸溶液を投入してセシウムを溶かしだし、そのセシウムを吸着材で取り除く仕組みです。
 「サリー・ソイル」は土壌の放射性セシウムを97%取り除ける能力があるようで、福島第1原発の事故で汚染された、学校や下水処理場の汚染土壌の処理向けに装置と作業員を派遣し、1件当たり数百万円で請け負う計画。縦20メートル、横20メートルの校庭であれば5日で作業が完了。1日当たり砂場2面分相当の1.7トンの処理が行え、発生する廃棄物は土壌容積の1−4%で済みます。環境省の試算では、福島第1原発事故に伴う除染活動で生じる土壌や廃棄物は合計で最大、東京ドーム35杯分に相当する4400万立方メートルにのぼるそうです。